屋根について

陶器瓦・セメント瓦の屋根

<日常のお手入れ>普段は特にお手入れの必要はありませんが、季節ごとまたは台風や地震の直後などは、キズや割れがないか、サビていないかなど、目視で確認します。

<メンテナンスサイン・放置するとおこる現象>陶器瓦は耐久性が高く劣化しにくいといわれていますが、台風などの強風にあうと、瓦が欠損したり、落下することがあります。放置すると、野地板へ雨水が侵入し、雨漏りの原因になります。棟部分の漆喰やモルタルがずれたり剥がれたりした場合も雨漏りの原因になります。屋根工事全般にいえることですが放置すると、雨漏りが発生し、下地材が腐食し構造体に影響が出る場合があります。適切な時期にメンテナンスを行わないと修理費がかさむことがあります。

<メンテナンススケジュール>色あせしにくく、比較的長寿命です。20年ごとに点検をし、必要に応じて補修をします。60年を目処に葺き替えをします。日射熱による収縮や、可塑材の抜けによりルーフィングが劣化しますので、全面葺き替えと同時にルーフィングも張替えます。小屋裏内に雨漏り(雨漏り跡)を発見した場合は、早急にメンテナンスをします。

<材料・注意事項・トラブル防止・その他>表面に現れる細かいひび割れは、貫入ひび割れといい、これは陶磁器特有の現象で、生地を焼いて焼結させる場合、粘土と釉薬の収縮率の違いによるものなので、亀裂ではなく、品質(漏水、強度)には問題はありません。セメント瓦の塗膜が劣化すると、水を吸って成分のカルシウムが流れ出し、表面がザラザラして脆くなります。

化粧スレート

<日常のお手入れ>普段は特にお手入れの必要はありませんが、季節ごとまたは台風や地震の直後などは、キズや割れがないか、サビていないかなど、目視で確認します。

<メンテナンスサイン・放置するとおこる現象>カビやコケは、日光があまりあたらない北側や湿度の高い場所に発生しやすいです。表面がざらざらしているので、カビやコケが生えた状態のままにしておくと、水を吸いやすくなり、塗膜の劣化を促進し、屋根材の劣化・雨漏りの原因にもなります。塗膜が素地との接着力失うと、剥離を生じ、屋根材の腐食、室内への漏水の原因にもなります。塗膜が剥がれると、スレート素地が露出の状態になるので、早急に塗装をして、スレートを保護する必要があります。スレートの防水性が衰えてくると、表層に細かいクラックが発生し、そこから雨が入り、雨漏りの原因になります。屋根材に水を含んだまま、急激に乾燥・凍結した場合、屋根材が割れたり、反ってしまうことがあります。長期間放置すると色あせも起き、防水性もなくなります。

<メンテナンススケジュール>表面塗装を10年ごとに行います。30年を目処に全面葺き替えをします。塗装剥離を確認した場合は、早めに塗り替えを行います。日射熱による収縮や、可塑剤の抜けにより下地のルーフィングが劣化しますので、全面張替えと同時にルーフィングも張替えます。小屋根裏に雨漏り(雨漏り跡)を発見した場合は、早急にメンテナンスをします。

<材料・注意事項・トラブル防止・その他>化粧スレートを葺き替える場合、現状の屋根材にアスベストを含んでいるか、含んでいないかを検査にて確認します。アスベストを含んでいると廃材処理代など費用がかかります。塗り替えの際に、スレート同士が塗装で接着してしまうと、表面張力で隙間に雨水が侵入することがありますので、専用のスペーサーを用いて塗装を行います。

ガルバリウム鋼板

<日常のお手入れ>普段は特にお手入れの必要はありませんが、季節ごとまたは台風や地震の直後などは、キズや割れがないか、サビていないかなど、目視で確認します。

<メンテナンスサイン・放置するとおこる現象>チョーキングは、塗料樹脂の劣化によって、塗料の中の樹脂がチョークのような粉状になってしまうことで、金属屋根に発生しやすい現象です。そのまま放置しておくと塗膜だけでなく、屋根材にまで劣化がおよぶので、塗り替えが必要です。塗膜の素地への付着力が低下し、剥離すると、基材が露出する状態になるので、劣化を促進させます。板金などの釘が、風圧や地震の揺れなどにより、ゆるみが出て釘頭が浮いてくる場合があります。屋根塗装と併せて補修をします。

<メンテナンススケジュール>新築20年後に、その後は10年ごとに表面塗装を行います。50年目を目処に全面葺き替えをします。

日射熱による収縮や、可塑剤の抜けにより下地のルーフィングが劣化しますので、全面張替えと同時にルーフィングも張替えます。小屋根裏に雨漏り(雨漏り跡)を発見した場合は、早急にメンテナンスをします。

<材料・注意事項・トラブル防止・その他>屋根材の塗装を行う前は、高圧洗浄を丁寧に、チョーキングの粉、カビ、ホコリ、劣化塗膜等をきれいに洗い流すことが重要です。不十分な場合は、塗膜の不具合や劣化が早まる原因にもなります。

アスファルトシングル

<日常のお手入れ>普段は特にお手入れの必要はありませんが、季節ごとまたは台風や地震の直後などは、キズや割れがないか、サビていないかなど、目視で確認します。

<メンテナンスサイン・放置するとおこる現象>砂埃の付着、部分的に藻やカビが発生した場合、部分的な取替をします。樹液の落下、日照条件により小豆大から幅・高さとも数ミリ程度の膨らみ(ブリスタリング)が発生することがあります。膨らみが破れ、内部のアスファルトが見えている場合は貼り換えをします。耐用年数が近づくと、粒石の下のアスファルトが見えてきます。これが葺き増し、または葺き替えのサインです。

<メンテナンススケジュール>10年目に必要に応じ点検・清掃します。20年目、30年目に点検します。不具合がある場合は部分補修または葺き増しをします。40年目を目安に葺き増しまたは葺き替えをします。葺き替えの場合はルーフィングも張替えます。小屋根裏に雨漏り(雨漏り跡)を発見した場合は、早急にメンテナンスをします。

<材料・注意事項・トラブル防止・その他>塗装によるメンテナンスは推奨されていません。葺き替えか葺き増し(カバー工法)になります。施工当初には、表面の粒状石の落下がみられますが、アスファルト基材やファイバーグラスガラス繊維)マットが見えるほどの剥離が生じない限り耐用年数に影響を与えることはありません。汚れや劣化状況は周辺環境により大きく異なります。