理想郷はどこにあるの

先日ある劇場でイギリスの作家ジェームズ・ヒルトンが書いた「失われた地平線」の劇を見に行きました。あらすじは1930年代のインド、主人公は若手外交官で植民地インドに赴任して3年、理想政治と現実の違いに悩んでいました。おりしもインド各地では本国イギリスの圧政に不満を持つ人々による内乱が勃発しており主人公は北部の町に実態調査に出かける事になりました。同じ便に乗り合わせたのは実業家のアメリカ人と女性の伝道師、そして大尉、と主人公の4人でした、しかし彼らを乗せた飛行機は目的地とは全く違う険しい山岳地帯に不時着してしまったのです。チベットの雪山に投げ出された4人は「シャングリ・ラ」という土地の人に助けられそこで暮らすようになるのですが、その「シャングリ・ラ」、周りは雪山なのに気候はいつも春のようであんずの花が咲き乱れ、木々は緑で生い茂り豊かで美しい平和な国なのです。下界のように戦争で明け暮れている中「シャングリ・ラ」の人々は穏やかで争い事はありません。又そこに住む人々は下界人よりも3倍もの年数を生きることができます。そう不老長寿の国で「ユートピア」なのです。仮に地球が滅びそうになっても「シャングリラ」だけは永遠に輝きつづけることができるのです。そして「シャングリラ」には聖人、大ラマがいますこの年齢は300歳、主人公はこの大ラマと対話して自分が理想としている世界がこの「シャングリ・ラ」であることに気づきます。しかし現実には自分の力では世の中を変えるわけにはいけません、下界の争いに目をつむり、この理想郷の地に残るかそれとも下山して再び下界で自分の力を試すか迷います。迷った結果「シャングリ・ラ」で出会った恋人と山を下ります、その途中恋人は「シャングリ・ラ」を離れた結果年を取って倒れます。彼女は実は90歳だったのです。雪山で亡くなる前に主人公に「私はシャングリ・ラで命を長らえるより愛するあなたと短い間でも一緒にいたかった。」と言って息を引き取ります。彼女は輝く1日1日を過ごしたかったのです。さて長寿と言えば平均寿命、世界一は日本です。男女平均83歳、男性80歳女性86歳ですまた一番短い国はアフリカが多くマラウイに関しては男性44歳なのです。こんなにも開きがあるのです。今、生かされている日々を自分なりに1日1日輝いて過ごしたいものです。

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