行き詰まり

近頃車で少し遠出する機会が増えました。カーナビがない時代見知らぬ地方へ行く時は必ず地図を片手に不安と期待に胸をふくらませて国道を走ったものです、そしてたまに隣に座っている婆ナビが行き先を間違ってそれに気づき言い争いになってまずい雰囲気が車中を漂う結果になったものです。しかし性能の良いカーナビができて安心して知らない街でも走れるようになりました、おまけに昼食の時間ともなれば好みのレストランや、そば屋、など教えてくれたり本当に便利です、あるときこのようなことがありました。仲間12人と2台のレンタカーを借りて夕食の会場をカーナビに入れて走っていました。レンタカーは10人乗りの大きな車です。私たちはその車が新しいので何も疑わずに目的地を目指して走っていました。しかしどうも様子が変です、だんだん細い道に入っていくではないですか ナビは先ほどの交差点でこちらの道を示していました、その付近には結構太い新しい道があります、でも近道を教えてくれているのだと信じて走りました。すると急に道幅は狭くなり路地に入ってしまいました、これはあかんバックやバックやと後ろの車に合図をしましたがなんせ大きな車でバックするのは大変、誘導も3人がばらばらで好き放題教えるのでなかなか真っ直ぐ進みません挙げ句の果てに民家のブロック塀に「ガリガリ」と左のサイドミラーをこすりました。2台目の後ろの車はマンションの車庫でバックしようとしていますがその車庫はアーチになっているため高さが低いので車の屋根に当たりそうです、何度も切り返すのですがこれもまた各自が勝手に声をかけるため運転手は汗だくで行ったり来たりそれに後ろから軽自動車が1台2台3台4台と入ってきました。これには困り果て4台の運転手に事情を説明してバックしてもらうこととなりました。皆が下りて誘導することになりました。その路地は裏道で高校生の帰宅時間と重なっていましたのでたくさんの高校生の見世物になりました。車の前には高校生、後ろには軽自動車の列、立ち往生とはこのことです。車のハンドルを何度も切り返し壁や、マンションの庇に当たらないよう一喜一憂、ハンドルを切るたび高校生諸君から「うわ~とかストップストップ」などの掛け声をもらい無事方向転換出来ました。進行方向に向いた時、高校生の女子から拍手が起こりました、とても恥ずかしいやら、情けないやら、少し嬉しいやら、車を返す時レンタカーの人いわく、沖縄は道の工事が多いので裏道はすぐ変わりますとのこと、メカも100%信用できないという教訓でした。

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